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「袋が破れて洗濯機中に柿ピーが飛び散る危険があるのですよ。故障の原因になるだけでなく、洗濯物のなかに柿の種が紛れ込むことがあります」
 いやだ。柿の種入りのパンツははきたくない。
「ご家庭ではタッパを利用するとよいですね」
 ただ、タッパでも蓋が外れて中身が飛び出す恐れはあるそうだ。そのため粘着テープを使って蓋が外れないようにしっかりと固定する。
「このときガムテープを用いますと、タッパにくっつき跡が残ることになりますし、はずすときに力が入り過ぎて柿の種があたり一面に飛び散ることになりかねません。はがしやすいテープが市販されていますので、そういったものを利用されるとよいでしょう」
 また、洗濯機の中に置く位置も問題だそうだ。
「よくやりがちなのが洗濯機の真ん中に置いてしまうことなのですが、実は真ん中というのはほとんど遠心力は働かないのですよ。洗濯漕の壁にとりつけるのがもっとも望ましいのです」
 タッパを壁にとりつけるのは難しそうに思えるが、大きめの屑とりネットの中にいれるか、入らなければぶらさげてしまえばよいそうだ。ぶらぶらしそうであるが、遠心力でタッパは自然に壁に張りつくのだ。
 さあ、さっそく分離だ。洗濯機が回転を始める。
「通常でしたら30分ほど回しておけばよいかと思います」
 洗濯機によって必要な回転時間は異なるので、様子を見ながら何回か繰り返してみるとよいそうだ。
 やがてブザーとともに洗濯機が止まった。さっそくはずしてみる。
 タッパを開けると、きれいに柿の種とピーナッツが分離されていた。
 最後に家庭で分離するときの注意点を尋ねると、松本さんは少し考えて答えた。
「自動注水にしないことです」

     [完]




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