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(ベル)
「はいもしもし」
「杉野森ですけど、梅田さんお願いします」
「で、電球売場はどこですか」
「三階です」
「えーと。あなた梅田さん?」
「はいそうですが」
「杉野森さんから電話です」
「ああっお客様すみません。はい梅田です」
「あもしもし杉野森ですけど、KI3−Roね、青しかないや」
「あそう。入荷の予定は」
(ベル)
「二週間後だね」
(ベル)
「わかりました。どうもすみません。お客様、あいにく在庫が青しかないんですが、よろしいでしょうか」
(ベル)
「ふーんそうなんだ。白はいつ入りますか」
(ベル)
「二週間後になります」
(ベル)
「うーん、じゃあ、青でいいです」
(ベル)
「はいもしもし」
「いつもお世話になっております三本松電機です」
「お世話になっております」
「松本主任いらっしゃいますか」
「少々お待ちください。……あの、松本主任って方に電話なんですが」
「ああああっお客様すみません。しゅにぃぃん、松本しゅにぃぃん」
「なんだぁぁぁぁ」
「でんわぁぁぁぁ」
「あああああっすみません。はい松本です」
「えーと、青でよろしいですか。ただいまご用意いたしますので少々お待ちください。……もしもし」
「はい」
「梅田ですけど、杉野森さんお願いします」
「すぎ……なんだって?」
「杉野森です」
「杉野さん?」
「いえ、す・ぎ・の・も・りです」
「えーっとで、杉野森さんからどなたに電話?」
「いえ、私が梅田で、杉野森に電話なんですが」
「ああああそういうことね。はいはいちょっと待って。梅田さんって方に電話」
「ああっ申し訳ありません。あの、梅田は五階の売場になりますので、転送しますので少々お待ちください」
「ああっ、杉野森さん、待って」
(ベル)
「はい」
「もしもし杉野森ですけど、梅田さんお願いします」
「少々お待ちください。……えーっと、梅田さんって人に電話ですけど」
「ああっお客様申し訳ありません。おーい、梅田くん、電話」
「もーう、やっ!」
「おーい、早く電話に出なさい」

     [完]




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