Vol.1
<Vol.2<
∧目次∧
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【宛先】
MAHOTSUKAI NO OREI
「ありがとうございます。私は魔法使いのキサブロー・マツモート。仲間の悪い魔法使いにだまされて小石に姿を変えさせられていたのです。あなたが蹴飛ばしてくれたおかげで、人間の姿に戻ることができました。あなたは命の恩人です。どうかお礼をさせてください」
INOUE YASUSHI
そのとき喜三郎の脳裏にはっとひらめくものがあった。辞書→漢字→中国→敦煌→井上靖。
NIHONJIN NARA HARA O KIRE
外相はマイクの前に立つと緊張の面もちでしゃべりだした。「ええ、それでは、ここで大王陛下を歓迎する意味を込めまして、日本の伝統行事でありますハラキリをご覧にかけたいと思います」
MUZETSU
三本松テレビの人気番組、「ニュースバトル」の人気女性キャスター梅田手児奈がアナウンス部の杉野森部長に呼ばれたのは生放送の終わったある夜だった。部長はしばらく言葉を選んでいたようだったが、「君の最近の放送だがね」とぼそぼそと切り出した。
SANBONMATSU DENKI NO YAKUSHIN
「こういう高層建築が当り前の時代ですとね、三十七階からやっとこさ降りてきたら上に傘を忘れていた、という不幸な事故が後を立たないんですよ。なんとかならないかという声が、ユーザーの間でも高かったんですね」
KIMI NO EGAO GA MITAKUTTE
「喜ーちゃん煙草やめるって、約束したじゃない」「え?まあ、そうだけど、ほら、急にはなかなかさ、」手児奈は今にも泣きださんばかりになった。「私と煙草とどっちが好きなの」
SAMAYOERU URANAISHI
「うーん、松本喜三郎ねえ……ちょっと画数が……」「画数が?」「多すぎます」
KOTOBA NO SANPOMICHI
「このことわざ辞典は三十年ほど前に書いたものじゃ」教授は一冊の本を取り出した。「そのことわざの持つ本質的な意義をとらえるのに苦労したものだよ」弥三郎は渡された辞書を開いた。
ANDROID NO MACHI
「そうだ。そのくらいやつらは人間そっくりなんだ。外見はもちろん、体の内部まで人間と区別がつかない」「じゃあ、見つけて破壊するといっても、どうやって見つければ……」「そこだ。いかにそっくりとはいえ、しょせんはアンドロイド。心の中までは似せられない」
FUZEN NO TOMOSHIBI
老人は喜三郎をある覆いの前に連れて行くと、その覆いを一気にとった。喜三郎は息をのんだ。まさに一国の大将たるものがつけるにふさわしい、鎧・かぶと・鞍・あぶみであった。