佐野祭の大型小説 Vol.10


>Vol.9>

∧目次∧

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【宛先】

□【新着】大型交通小説「右折の原理」

USETSU NO GENRI

まず左側を走る、まっすぐ進む、ここでいったん降りて、車の向きを変える、キサブローくん後ろを持ってくれ、ん、これはさすがに重いな、ちょっと待て、ひと休み。

□大型バドミントン小説「宇宙のシャトル」

UCHU NO SHUTTLE

宇宙バドミントンはかつては宇宙船の船内で行われていた。だが、エキサイトして計器を壊す事故が多発した。そのため今は船外でプレーすることになっている。もちろん宇宙服着用だ。

□大型風物小説「鵜飼の初め」

UKAI NO HAJIME

喜三郎はもがいていた。といって溺れたふうではない。何かと取っ組み合っている。黒い鳥を抑えつけようとして鳥が刃向かっているのだ。どうやら鵜を捕まえようとしているようだ。

□大型アニミズム小説「財布の中で」

SAIFU NO NAKA DE

百二十円の缶コーヒーを買おうと、喜三郎は小銭入れを開けた。たちまち財布の中のコインたちが一斉に騒ぎだした。

□大型立志伝小説「勝訴の人」

SHOSO NO HITO

やはりコネがいるんでしょうか。それとも勝訴の人の子弟に限られるとか。あまり親子で勝訴の人をやっているというのも聞きませんが。

□大型営業小説「電話口の向こうで」

DENWAGUCHI NO MUKODE

ご注文は三十個でしたよね。……はい。……力道山が。……調べてこちらからご連絡差し上げます。

□大型公募小説「万歳に決まるまで」

BANZAI NI KIMARUMADE

古来めでたい言葉にもいろいろありますが、広く民衆に知られ、縁起物として定着しているという意味で、『鶴亀』を推薦します。

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