佐野祭の大型小説Vol.2


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大型保育小説「子供の情景」

KODOMO NO JOKEI

 ガタゴト揺れる電車の中で、太郎が喜三郎に尋ねた。「ねえ、饅頭のおじちゃん、歳いくつ」「二十八だよ」「なんで?」

大型高橋小説「高橋」

TAKAHASHI

「そんなわけで高橋さん。ぜひ我々と一緒に大型小説をやってほしいんです」弥三郎はにこやかにほほえんだ。

大型日記小説「ホワイトデイに千歳飴を」

WHITE DAY NI CHITOSEAME O

3月13日(曇のち晴)千歳飴を買いに行く。「いまどき、千歳飴なんてありませんよ」店員が驚いたような顔でいう。

大型新春娯楽時代劇小説「仇討配役記」

ADAUCHI HAIYAKU KI

「どちらにしろうちの殿は浅野殿のような短気なお人柄ではない。そんな間違っても殿中で刀を振り回すなんてことがあるもんか」「うーん、うちの殿には浅野殿の役は無理か。殿が怒らねえことには話が始まらないんだけどなあ」

大型伝記小説「影響なき天才たち」

EIKYO NAKI TENSAI TACHI

「君の研究室に、喉の太い学生はいないかね」「喉の……?」「うん。できれば神経も図太い方がいい」手児奈は杉野森の目をまっすぐに見た。そこにあるのはいつもの研究熱心な杉野森の目である。

大型料理小説「注文」

CHUMON

 うどん屋・三本松庵に一人の客がふらっとやってきて注文した。「冷し鍋焼うどん」

大型農業小説「米を食うまで」

KOME O KUU MADE

 腹が減ったのでイネを見て「ああ、これ食えないかな」と思い、茎をかじってみようとしてハッと父の遺言を思い出す。父の遺言とは「あのイネっつう草の茎 はまずいから、食うもんじゃねえ、とじいちゃんが言っていた」ということであった。

大型バイオレンス小説「Rights」

RIGHTS

「暴力の自由を踏みにじるこの行動に、各方面から批判の声が相次いでおります。 では、さっそく問題の乾日新聞社を取材してみたいと思います」

大型ものすごい小説「ものすごい熱情」

MONOSUGOI NETSUJO

 車の通りのものすごく激しい街路ぞいの喫茶店。

大型歌手小説「鉄橋の歌」

TEKKYO NO UTA

いくつかのレコード会社から話は来ているのだが、喜三郎はまだデビューにOKしない。「手児奈はまだ歌の心がわかってない」の一点張りなのである。

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