Vol.2
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<Vol.3<
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【宛先】
KODOMO NO JOKEI
ガタゴト揺れる電車の中で、太郎が喜三郎に尋ねた。「ねえ、饅頭のおじちゃん、歳いくつ」「二十八だよ」「なんで?」
TAKAHASHI
「そんなわけで高橋さん。ぜひ我々と一緒に大型小説をやってほしいんです」弥三郎はにこやかにほほえんだ。
WHITE DAY NI CHITOSEAME O
3月13日(曇のち晴)千歳飴を買いに行く。「いまどき、千歳飴なんてありませんよ」店員が驚いたような顔でいう。
ADAUCHI HAIYAKU KI
「どちらにしろうちの殿は浅野殿のような短気なお人柄ではない。そんな間違っても殿中で刀を振り回すなんてことがあるもんか」「うーん、うちの殿には浅野殿の役は無理か。殿が怒らねえことには話が始まらないんだけどなあ」
EIKYO NAKI TENSAI TACHI
「君の研究室に、喉の太い学生はいないかね」「喉の……?」「うん。できれば神経も図太い方がいい」手児奈は杉野森の目をまっすぐに見た。そこにあるのはいつもの研究熱心な杉野森の目である。
CHUMON
うどん屋・三本松庵に一人の客がふらっとやってきて注文した。「冷し鍋焼うどん」
KOME O KUU MADE
腹が減ったのでイネを見て「ああ、これ食えないかな」と思い、茎をかじってみようとしてハッと父の遺言を思い出す。父の遺言とは「あのイネっつう草の茎
はまずいから、食うもんじゃねえ、とじいちゃんが言っていた」ということであった。
RIGHTS
「暴力の自由を踏みにじるこの行動に、各方面から批判の声が相次いでおります。
では、さっそく問題の乾日新聞社を取材してみたいと思います」
MONOSUGOI NETSUJO
車の通りのものすごく激しい街路ぞいの喫茶店。
TEKKYO NO UTA
いくつかのレコード会社から話は来ているのだが、喜三郎はまだデビューにOKしない。「手児奈はまだ歌の心がわかってない」の一点張りなのである。