日本の標準タロウ第4回
ドリルとは

 今週の質問は翠さんからいただきました。


 私、名を翠(みどり)と申します。どういう訳か私は昔からニックネームがなく、友人たちが普通に愛称で呼ばれているのを見ては秘かに羨ましく思っていました。
 ある日、私はどうにかしてニックネームで呼ばせる方法はないものかと頭を捻ります。そこで思いついたのが、まず自分で考えた呼び方を提示し、それを足がかりに自然な話の流れで愛称をつけさせることでした。最初に私が提示するのは、適当に話が広がるほどの話題性があり、尚且つそれが定着してしまわないように何らかの問題点を含むものでなくてはなりません。私はそれから三日三晩寝ずに考え、試行錯誤を繰り返し、漸く完成したのが機種依存文字である「ミリ」と「ドル」を並べた「_j(ミドリル)」でした。ルは語呂が悪いですが、これくらいの方が話は広がるでしょう。
 その翌日、私は期待に胸を膨らませ、早速これを仲間内に披露しました。ところが思いがけないことに、それに対する友人の第一声は「それは武器ですか?」だったのです。言いたいことは勿論わかります。しかし、ドリルから真っ先に連想される言葉が「武器」とはいかがなものでしょうか。ゲームや漫画などの世界ではドリルは確かにしばしば武器として使用されるものの、現実の世界ではご承知の通り工具でしかありません。私はすかさず友人にそう指摘しました。すると今度は「武器ではないとしても、工具である前に問題集」だと言い放ったのです。
 こうなってはもう自分のニックネームどころではありません。ドリルといえば何をするためのものか、標準くんにはっきりと白黒判定していただきたく思います。

 いや、それよりもやっぱり自分のニックネーム何とかした方がいいかと。
 まあ考えてみれば、職業上使っている人とか日曜大工が趣味の人を除いて、あまり日常工具のドリルを使う機会はありません。かといって大人になれば問題集のドリルにもあんまり縁はありません。
 今回のタイトルを見て、あなたは、どのドリルのことだと思いましたか?


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